筑陽の生徒は夢がいっぱい!学生リポート

特集:文化行事特集(前編)|Webマガジン「筑陽プレス」

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今年のテーマは、「感謝の心」

先日、福岡サンパレスで行われた文化行事で、入賞者の表彰式がありました。作文コンクールの今年のテーマは、「感謝の心」です。


作文コンクール 中学校の部

【学校長賞】 J1-B 丸田 隼輝  (笹丘小卒業)
学校長賞 丸田隼輝|作文コンクール表彰

【受賞者の感想】
今回、作文コンクールで学校長賞を受賞して、私は作文を書くことがとても苦手だったので、今回受賞してとてもびっくりしています。 心の中では恵まれた環境の中で暮らしていることはわかっていましたが、実際にあまり意識したことはありませんでした。 作文のお陰で感謝ということについてじっくり考える良い機会をもらったと思っています。賞をもらえて本当に嬉しいです。どうもありがとうございました。

【中学校の部 受賞者】
クラス 氏名 出身小
学校長賞 J1-B 丸田 隼輝 笹丘
優秀賞 J1-A 山本 夏帆 原田
  J3-A 芳野 遼 二日市
  J3-B 梶原 崚太 太宰府
入選 J2-A 上野 雄貴 荒木
  J2-A 山口 央将 大野
  J2-A 山本 奈摘 水城西
  J2-B 荒巻 有貴 南薫
  J3-A 下川 航平 中牟田
  J3-A 山口 颯也 大野北

作文コンクール 高校の部

【学校長賞】 F2-2 倉岡 英里 (平野中卒業)
学校長賞 倉岡英里|作文コンクール表彰

【受賞者の感想】
サンパレスのステージに立つのは、中学校3年の合唱コンクール以来なので丁度2年ぶりになります。 今、私は学校長賞を頂いた嬉しさと今から大勢の前で作文を読むという緊張で複雑な気分です。 この作文を私は締め切り前日に書きました。それまでは、4年に1回のことなのでオリンピックについて書こうと決めていました。 しかし、ひとつの宅急便が私の運命を変えました。 その宅急便につきましては、のちほど作文にて紹介させて頂きたいと思います。 聞き苦しいところがあると思いますが、どうぞ最後まで聞いてください。 最後になりましたが選んでくださった審査員の方々、放課後遅くまで朗読指導に付き合ってくださった伊藤先生や工藤先生、応援してくれた2年2組のみんなには本当に感謝しています。ありがとうございました。


【高校の部 受賞者】
クラス 氏名 出身中
学校長賞 F2-2 倉岡 英里 平野
優秀賞 F1-2 田中 理世 宮竹
  F1-4 金川 友香 福教福岡
  F1-6 藤田 彩乃 大野
  F2-2 陣内 友 大利
  F2-4 久保 裕子 牟田山
  F2-4 山本 奈々 飯塚第一
  D2-1 三浦 日菜子 春日東
  F3-2 亀岡 千愛 大野
  F3-2 鳩野 天生綸 三筑
  D3-1 内野 桃 福岡城南
  D3-1 大津 理紗 良山
  D3-1 井手 麻子 宝城
  D3-1 緒方 里恵 平野
入選 F1-1 永田 穂香 宇美南
  F1-7 山口 恵里佳 大利
  F1-9 中庭 静穂 花畑
  D1-1 平川 かな江 宇美南
  C2-A 黒木 晶子 筑陽学園
  F2-3 徳田 浩美 大野東
  F2-5 荒木 俊次 櫛原
  F2-5 田川 ゆり彩 学業院
  F2-6 東 さとみ 二日市
  F2-8 秋永 拓 曽根
  D2-2  野中 美穂 基山
  C3-A 沢田 翔太 筑陽学園
  C3-A 竹原 弓絵 筑陽学園
  F3-1 今川 恵理 太宰府
  F3-5 田島 夏美 春日
  F3-5 若松 絵里 筑紫野南
  F3-6 松本 哲 二日市
  F3-7 松井 亜美 甘木・甘木
  F3-8 山岡 隆二 阿蘇北
  F3-9 森田 真由 宮ノ陣

学び、考え、自らを表現する

作文コンクールの一回目のテーマは「戦後五十年を迎えて」でした。戦後50年の節目を、生徒たちが、どう捉えているかを知りたいという、本校学校長の提案で始まりました。それから14年。様々なテーマについて、生徒たちは考えてきました。当初から担当を務める、国語科の松竹秀明先生にお話を伺いました。


自分を見つめる

国語担当|松竹先生

テーマは、学校長の提案で決まることが多いです。世の中で、今、皆が考えないといけないものばかりです。命とか、絆とか、感動とか、去年は正義、今年は感謝とか。それを、400字詰め原稿用紙、3枚〜5枚以内という文章量で表現します。このくらいの長さの文章で、自分の考えをまとめるということを、生徒たちは意外にしてきていないんですよ。短いフレーズだったり、浅いレベルで思考が止まっていたり、ちょっとしたときに考える程度で。作文コンクールは全員参加です。作文を書く事が苦手な生徒もいるんですが、毎年出されるテーマについて考えて書くことで、自分の考えを1回はまとめられるので、絶対、プラスになります。テーマは短い言葉で、しかも、普段当たり前のようなことかもしれませんが、その時々の時代の中で、とても大切な事ばかりです。中学からいる生徒は6テーマ、高校からいる生徒は3テーマ。人と語り合うときに、自分の考えを話せるようになるし、自分の考えの固まりができるようになると思いますよ。


生徒の考えが見えてくる

学校長賞|受賞者朗読

審査基準のポイントは、大きく3つあります。一つは、テーマに沿って、ちゃんと書いてあるか。次に、自分の世界に逸脱して行っていないか。最後に、自分が書かれているかということ。専門家や評論家のように、客観的に、すごく詳しく調べて語り尽くしても、「結局、で、あなたはどうなの?」という問いに答えられているかどうかが大切なんです。これまでに、学校長賞を受賞している生徒の作文は、自分の手、足、耳、鼻などをフルに使って経験から感じ取ったり、考えたりという部分と、ちゃんと学習したからこそ知っている、知的な部分を合わせて、自らの考えを表現しているところが評価されています。一頃、感動させようとか、何か一つ上の立場から、みんなに訴えようという作文もありましたけど、常に、自分を含めてという視点での文章が、共感を呼んでいると思います。今年のテーマは「感謝」。お母さんやお父さん、身内に対する感謝のことを書いた内容が、半分くらいありました。こうなることは予想していたんですが、作文を書いてくれたことによって、「感謝」と聞いて、生徒たちが素直に感じたのは、身近な家族のことだったんだと、改めて知ることができました。中学生、高校生が、今、何を考えているのかが見えてくるのも、作文コンクールの良さだと思っています。


書き手の想いが伝わる文章

本当に、飾らず素直に思ったり、感じたことが、自分の言葉で語ってある文章は、魅力がありますよ。そういう作文は、文集に残すときに、すごく粗が見えてくることもあるんです。この言い回し変だよとか、この文章ねじれているよねとか。でも、そういうことより、「あ〜、そういうことが言いたいんだ。」というのが伝わってきた作文に、良さを感じます。そういう作文は、溢れ出てきたものを、一気に書いてしまっているようで、エネルギーなり、勢いがありますよ。逆に、小論文のような書き方で表現する生徒もいます。「私は、このことについて、こういう風に考える。なぜなら・・・」といった具合に、自分で整理して、きちんと客観的に自分の意見を書いている作文もあって。  つたなくて荒削りだけど、すごくジンと来て、感動して泣けたというような作文と、世界とか社会とか、最近の新聞と並べて、自分の意見をきっちり述べているというような小論文的な作文。どちらが良くてというのは、正直、難しいです。同じ土俵で点数がつけられないと感じるときもあって、審査は難航しますよ。ただ、作文コンクールであって、小論文コンクールではないから、もっと肩の力を抜いて、書きたいことを書いてくれたらなと思っています。  


国語担当|松竹先生

仲間を認め、自分を磨く

芸術鑑賞のときに、福岡サンパレスで表彰式をするようになったのは、10年ほど前です。学校長賞を受賞した生徒が、自分の作文をステージで読みます。そのときに、全体がワンランク上がるのを毎年感じるんです。自分で書いて、まず一つ、ステップアップ。そして、学校長賞の発表があって、他の人の良い作文を聞いて、その良さを理解して、みんながアップしているのかなという感じがするんです。生徒たちが、”筑陽にすげ〜やつがいる。“と思うのは、「筑陽にいる自分たちも!」っていうフィードバックに繋がっていると思うんですよ。身内のすごさを知れば、自分たちがうれしくて、自分たちの誇りになる。どこどこが全国大会に行ったとか、頑張っているとかって、自分のことじゃないけれど、他校の生徒に自慢したくなったり、誇らしかったりするんですよね。作文コンクールのように、内部的に素晴らしいものをお互いに知り合うっていう機会は、学内のモチベーションなり、生徒たちのプライドなり、ここにきて頑張っているというのがいいんだって言う空気を作ってきていると感じています。作文コンクールを続けて14年ですが、文化面や知的面での落ちいた空気を、作ってこれているんじゃないかって思っています。


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編集後記
今年のテーマ「感謝」。感謝の心を表すときに使う“ありがとう”という言葉は、漢字にすると“有り難う”になります。有ること、存在することが難しいからこそ、ありがとうという言葉が生まれたのでしょうか。普段、当たり前に思えるようなことも、本当は、その存在は、とても難しい事なのかもしれません。短いテーマから、自分の内面を見つめ直せる作文コンクール。来年は、どんなテーマで、どんな作文を読めるのか、とても楽しみです。