特集の第1回目は、筑陽学園で最も部員数の多いサッカー部です。 グラウンドいっぱいに広がり、毎日遅くまで練習をしているサッカー部は、現在120名を超えています。どんな生徒が頑張っているのでしょうか?
進学クラス1年生 南島紳吾 三国中学校出身
部活を終えて帰宅すると疲れてしまってすぐに寝てしまいます。けれど、授業中に、先生の話しをしっかり聞いていれば、試験で困ることはありません。
これから学年が進めば勉強も大変になると思いますが、自分で選んで決めた事ですから、最後までやり遂げたいと思っています。
特進クラス1年生 竹前暢人 鳥栖中学校出身
勉強とサッカーを両立しようと思って筑陽学園を選びました。
サッカーの練習を終えて家に帰るのは遅くなりますが、家に帰って必ず1~2時間は予習をします。
宿題は、休み時間に終わらせています。
将来は、プロにこだわらず、ずっとサッカーを続けて行けたらいいなと思っています。
とにかくサッカーが好きなので、勉強も頑張れていると思います。
キャプテン 3年生 牟田雄祐 博多中学校出身
中学生のときに、選手権の試合を見て筑陽学園のサッカー部はかっこいいと思いました。
そして何より、吉浦監督と初めて話した時、心に響くものを感じました。
一緒に頑張ろうという監督の気持ちが伝わってきたんです。
今はキャプテンとしてチームを率いていますが、自分たちがサッカーを好きでやっているわけですから、きつい練習だとしても、笑いながら楽しくできるチームでありたいと思います。
試合前には、リポビタンDを飲んで頑張ってます。
将来は、Jリーグでプロとして活躍したいです。
サッカーがうまいだけでなく、人として憧れてもらえる選手を目指しています。
120人の部員からレギュラーとして試合に出られるのは、わずか十数人です。それでも、サッカーと勉強を両立しようと頑張るところには、サッカー部の監督 吉浦茂和先生のこんな指導が生きているようです。 吉浦先生は、今から22年前に、筑陽学園のサッカー部の顧問として着任され、この間に、筑陽学園のチームを全国2位に導きました。
全員が週1回はゲームをできるようにしています。
人数が多いと試合に出られない部員が出てきますが、サッカーをしていて試合に出られないのは、練習の励みにならないんです。
全員、サッカーが好きで集まっていますからね。
今年の3年生のほとんどが、最後の選手権までサッカー部に残ると言いました。
試合にも出られないかもしれないし、メンバーにも入れないかもしれない。と言うんだけれど。
それでも、部員と一緒に最後までサッカーをやりたい。
とにかく、サッカーが好きなんでしょうね。
特進Sクラス、特進クラスと勉強がハードな生徒もいるけれど合間で勉強してますよ。
九州大会の時、沖縄で試合があって、飛行場に着いたら、みんな勉強している。
短い時間でも集中できる力が大切だと思います。
今は自分と3人のコーチ4人体制で指導しています。
3人とも教え子ですけど、そのうちの1人は、中学校までサッカーとは無縁の生徒でした。
当時、サッカーは高校からやってレギュラーになれるほど甘くないと言いましたよ。
それでも、筑陽のサッカー部に入りたいと言って、合格していた県立高校に行かず筑陽に来たんです。
最初は、ボールさえも蹴れなかったんですが、3年生のときには部員からの信頼を得ていて、サッカー部の中心的存在になっていましたね。
そのときですよ。国立で準優勝をしたのは。 3人共、信頼できるコーチです。教え方もうまいですしね。
プロとしてサッカー選手になれるのは、ほんの一握りだけれど、社会人になって自分の楽しみとしてサッカーを続けている卒業生は多いし、違う道で活躍している卒業生も多い。
例えば、ミュージシャンの唄人羽の安岡伸一、フランス料理で2年連続一ツ星を獲得したシェフ松嶋啓介など、ほかにもたくさんいますよ。
松嶋は、フランス語もしゃべれなかったのに、今ではフランスに自分の店を開いてますからね。たいしたもんですよ。
サッカーの言葉に「サッカーは子どもを大人にして、大人を紳士にする」というのがある。
15歳から18歳という難しい年頃にサッカーをする事で、大人への階段を昇って欲しいし、大人になっても成長する心を忘れないで欲しいですね。
編集後記
卒業後、サッカー以外の道を極めて行く卒業生も多いという話しに驚きました。
自分の夢を叶えて行っている生徒は、高校3年間、部活も勉強も両立してきているのだと思います。
何より、大好きなサッカーとの出会いが、力になっているのかもしれません。
サッカー部に限らず、筑陽学園には多くの部活動があり、1人1人が、自分の夢に向かって頑張っている事を改めて感じました。